AGAとはどんな症状？症状や原因・治療の重要性について徹底解説！

「最近、髪の毛が薄くなってきた気がする…」「抜け毛が増えたかも？」と感じている方もいるのではないでしょうか。

もしかしたら、それはAGA（男性型脱毛症）かもしれません。

AGAは、男性に多く見られる進行性の脱毛症で、放っておくと薄毛がどんどん進んでしまうこともあります。

本記事では、AGAがどんな症状なのか、どうして起こるのか、そしてどんな治療法があるのかを、専門家の見解も交えながら解説していきます。

AGAってどんな症状？原因とメカニズムを知ろう

まずは、AGAがどんなものなのか、その正体から見ていきましょう。

AGA発症の仕組みと原因

AGA（Androgenetic Alopecia）は男性型脱毛症を指し、男性の薄毛の主な原因となる、時間が経つにつれて進行する病気です。

この症状をそのままにしておくと、薄毛がさらに進んでしまうことが知られています。

AGAの最大の原因は、男性ホルモンの影響にあります。

特に「ジヒドロテストステロン（DHT）」という物質が深く関わっているのです。

私たちの体の中では、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、「5αリダクターゼ」という還元酵素によって「DHT」に変換されます。

DHTの影響を受けると、髪の毛が成長するサイクル、つまり「ヘアサイクル」が著しく短くなります。

ヘアサイクルは通常、「成長期」「退行期」「休止期」の3段階です。

AGAが進行すると、この成長期が短くなり、髪が十分に育つ前に抜けてしまうという現象が起こります。

その結果、髪の毛が細く、短く、弱くなる「ミニチュア化」と呼ばれる状態になるのです。

AGAを引き起こす原因は、主に以下の点が挙げられます。

AGAの薄毛はどのように進むの？

AGAの進行は、いくつかの特定のパターンを示すことが知られています。

AGAの進行パターンは以下の通りです。

AGAは進行性の病気であり、そのままにしておくと毛根の寿命が尽きてしまい、最終的に髪の毛が生えなくなるリスクが高まります。

これは、AGAが見た目の問題だけでなく、髪を作る毛包自体がその機能を失い、元に戻せない脱毛につながる可能性があることを示しています。

一度毛根の機能が失われると、その部分から髪の毛が再生するのは非常に難しくなります。

このため、薄毛が気になり始めたら、できるだけ早い段階で治療を始めることが、AGAの進行を食い止め、今ある毛根の機能を保ち、新しい髪の成長をサポートするためにとても重要です。

早期に治療を開始することは、将来の髪の毛の再生能力を守る上で欠かせないことなのです。

どんな治療法があるの？AGA治療の種類と効果

AGAの治療には、さまざまな方法があります。ここでは、科学的な根拠に基づいて効果が期待できる主な治療法をご紹介します。

ご自身の薄毛のタイプや進行度合いに合わせて、最適な治療法を見つけることが大切です。

飲み薬による治療：抜け毛を抑えて発毛を促す

AGA治療の主役とも言えるのが飲み薬です。

薄毛の進行を抑えたり、新しい髪の毛が生えるのを助けたりする効果が期待できます。

フィナステリドってどんな薬？

フィナステリドは、AGAの主な原因物質であるDHT（ジヒドロテストステロン）の生成に関わる「5α-還元酵素II型」をブロックするお薬です。

これにより、テストステロンからDHTへの変換を抑え、発毛を助けます。

日本皮膚科学会のガイドラインでも、男性のAGA治療に対して「強く勧める（推奨度A）」と最も高く評価されています。

1日1回0.2mgまたは1mgを飲み、効果には個人差がありますが、一般的に3ヶ月から6ヶ月の連日投与が必要です。

デュタステリドってどんな薬？

デュタステリドは、テストステロンをDHTに変換する「1型および2型5α還元酵素」の両方を阻害する作用を持っています。

そのため、フィナステリドよりも広範囲かつ強力にDHTの生成を抑えることが可能です。

こちらも日本皮膚科学会ガイドラインで男性型脱毛症に対して「強く勧める（推奨度A）」と評価されており、毛髪数の増加においてフィナステリドよりも優れた効果を示すことが報告されています。

通常、1日1回0.5mgを飲み、効果発現には数ヶ月の継続が必要です。

塗り薬による治療：頭皮から直接アプローチ

飲み薬と並んで効果が期待できるのが、頭皮に直接塗るタイプの外用薬です。

これにより、毛根に直接成分を届け、髪の成長を促します。

ミノキシジル外用薬ってどんな薬？

ミノキシジルは、もともと高血圧治療薬として開発されましたが、頭皮の血行を促進し、毛包を活性化させることで発毛効果を発揮すると考えられています。

特に、休止期にある毛包を早期に成長期へと移行させる作用が特徴です。

日本皮膚科学会ガイドラインでは、男性型脱毛症および女性型脱毛症の両方において「強く勧める（推奨度A）」と評価されており、その有効性が広く認められています。

使用は1日2回、1回1mLを脱毛している頭皮に直接塗布することが一般的で 、効果発現には通常3ヶ月から6ヶ月の継続が必要です。

その他の治療法

飲み薬や塗り薬以外にも、薄毛のタイプや進行度合いに合わせて様々な治療法が検討されます。

これらは、より直接的なアプローチや、薬剤に抵抗がある方、さらなる効果を求める方に選択肢となります。

具体的には、自身の髪を薄い部分に移植する「自毛植毛」や、頭皮に有効成分を直接注入する「メソセラピー」「PRP療法」、そして光の力で毛根を活性化させる「LED・低出力レーザー治療」などがあります。

AGA治療はどのくらいで効果が出る？

AGA治療を始めるにあたり、「いつ頃効果を実感できるのか」は多くの方が気になる点でしょう。

治療はすぐに結果が出るものではありませんが、適切な方法で継続することで、確かな変化が期待できます。

ここでは、効果を実感するまでの期間と、個人差が生まれる要因について詳しく見ていきましょう。

効果が現れるまでの期間

AGA治療の効果を実感するまでには、個人差はありますが、一般的に3ヶ月から6ヶ月ほどの継続が必要です。

これは、髪の毛のヘアサイクルが正常に戻り、新しい健康な髪が生え揃うまでに時間がかかるためです。

例えば、飲み薬や塗り薬は、毛周期に合わせて作用するため、最低でも3ヶ月から6ヶ月は毎日続けることが推奨されています。

治療を始めたばかりの頃に一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることもありますが、これは古い髪が抜けて新しい髪が生え始めるサインなので、心配せずに治療を続けることが大切です。

進行度合いなど個人差がある

AGA治療の効果や実感までの期間には、様々な要因で個人差が生じます。

薄毛の進行度合いが軽度であれば比較的早く効果を実感しやすい傾向がありますが、進行が進んでいる場合は、改善までに時間がかかったり、より強力な治療が必要になったりすることもあります。

また、治療薬との相性や、日頃の生活習慣も大きく影響します。

個人差が生じる要因は以下の通りです。

AGAは「進行性の病気」なので、一度薄毛が改善しても、治療をやめてしまうと再び薄毛が進行してしまう可能性が高いです。

理想の状態を保つためには、長期的に治療を続けることがとても大切になります。

継続的なAGA治療の重要性

AGAは進行性の症状であるため、一度改善しても、治療を中断すると再び薄毛が進行する可能性が高いことが知られています。

せっかく治療で得られた効果を維持し、理想的な状態を保つためには、医師の指示に従い、長期的に治療を継続することが不可欠です。

治療薬だけでなく、バランスの取れた健康的な食生活、十分な睡眠、適切なストレス管理、頭皮ケアなどの生活習慣の改善も、AGAの進行を抑制し、治療効果を最大化するために非常に重要です 。

これらの総合的なアプローチが、AGA治療の成功に貢献します。

AGA治療にかかる費用

AGA治療は、原則として健康保険が適用されず、全額自己負担となる自由診療に分類されます。

年間費用は一般的に15万円から20万円前後が相場ですが、選択する治療法や継続期間によって費用総額は大きく変動します。

各治療法の費用相場

AGAの治療法は様々なものがありますが、大きく「薬物治療」「メソセラピー」「植毛」の3つに分かれます。

ここでは、それぞれの費用相場を見ておきましょう。

例えば、薬物療法に使用されるフィナステリドは5,000円〜8,000円が費用相場です。

しかし、ミノキシジルと併用するとなると、もう少し値段がかかります。

保険適用と医療費控除について

AGA治療は、生命に直接的な影響を与える病気や日常生活に支障が出る怪我ではないため、原則として健康保険の適用外となる「自由診療」に分類され、治療費は全額自己負担となります。

AGAが「美容目的」の治療と分類されるため、医療費控除の対象からも外れることが一般的です。

ただし、例外的に保険適用となるケースも存在します。

AGA以外の病気、例えば脂漏性皮膚炎、円形脱毛症、甲状腺機能低下症などが原因で薄毛が発生している場合、その原因疾患の治療には保険が適用される可能性があります。

医療費控除についても、AGA治療は「容姿を美化し、又は容貌を変えるための費用」とみなされるため、原則として対象外です。

しかし、医療的必要性が認められる植毛治療や、保険適用される疾患の治療費は医療費控除の対象となる場合があります。

治療費用を抑えるには

AGA治療のコストを抑えるためには、いくつかの方法が考えられます。

一部の市町村では、特定の条件下で植毛治療に対する補助金や助成金を提供している場合があるため、居住地域の福祉担当部署に確認することが推奨されます。

AGA治療のメリットとデメリット

AGA治療には様々な選択肢があり、それぞれに独自のメリットとデメリット、そして起こりうる副作用が存在します。

治療を選択する際には、これらの情報を十分に理解し、自身の健康状態やライフスタイル、期待する効果と照らし合わせることが重要です。

内服薬のフィナステリド

フィナステリドは、AGAの主な原因物質であるDHT（ジヒドロテストステロン）の生成に関わる「5α-還元酵素II型」をブロックするお薬です。

内服薬のデュタステリド

デュタステリドは、テストステロンをDHTに変換する「1型および2型5α還元酵素」の両方を阻害する作用を持っています。これにより、フィナステリドよりも広範囲かつ強力にDHTの生成を抑制することが可能です。

ミノキシジルのメリット・デメリット

塗り薬は、頭皮から直接アプローチする治療法です。

ここでは、塗り薬としてよく使用されるミノキシジルのメリットとデメリットについて紹介します。

主な副作用とその対策

AGA治療薬には効果がある一方で、いくつかの副作用が報告されています。

飲み薬では性欲減退や勃起不全、ごく稀に肝機能障害などが挙げられます。

塗り薬では頭皮のかゆみやかぶれ、初期脱毛が見られることがあります。

これらの副作用は個人差が大きく、全ての人に現れるわけではありません。

副作用への対策としては、以下の点が挙げられます。

自毛植毛のリスクと利点

根本的な薄毛治療を検討する際に選ばれるのが自毛植毛です。

この治療法は、ご自身の健康な髪の毛を薄毛が気になる部分に移植することで、自然な見た目と半永久的な効果を目指します。

一方で、自毛植毛にはいくつかの注意点やリスクも存在します。

治療を検討する際は、これらの点を十分に理解しておくことが重要です。

日常生活でできるAGA対策と生活習慣

AGA治療の効果を最大限に引き出し、薄毛の進行を少しでも穏やかにするためには、日頃の生活習慣も非常に大切です。

毎日のちょっとした心がけが、健やかな髪の成長をサポートする土台となります。

ここでは、ご自宅で実践できるAGA対策についてご紹介します。

バランスの取れた食生活

髪の毛は、私たちが食べたものから作られています。

そのため、栄養バランスの取れた食生活は、健康な髪を育む上で欠かせません。

偏った食事は髪の成長を妨げ、AGAの進行を早める一因となることがあります。

特に、以下の栄養素を意識して摂るようにしましょう。

油分の多い食事やインスタント食品ばかりの食生活は、頭皮環境の悪化にもつながるため、できるだけ控えることが望ましいです。

正しい頭皮ケア

頭皮の健康は、健やかな髪の成長に直結します。

頭皮の環境が悪化すると、髪の成長が妨げられ、薄毛が進行しやすくなります。

日々の頭皮ケアを見直してみましょう。

ストレス管理と十分な睡眠

ストレスや睡眠不足も、髪の毛の成長に悪影響を与えることがあります。

心身の健康を保つことは、AGA治療の効果を高める上でも非常に大切です。

これらの生活習慣の改善は、AGA治療の効果をさらに引き出すための土台となります。

できることから少しずつ取り入れて、健やかな頭皮と髪を目指しましょう。

気になるAGAに関するよくある質問

AGA治療を始めるにあたって、多くの方が抱える疑問にお答えします。

治療への不安を少しでも解消し、安心して治療に臨めるよう、よくある質問とその回答をまとめました。

ぜひ参考にしてください。

AGA治療を行うと日常生活に影響はある？

AGA治療薬の種類にもよりますが、日常生活への影響は比較的少ないと言えます。

飲み薬は毎日決まった時間に服用するだけですし、塗り薬も朝晩に頭皮に塗るだけなので、習慣になれば負担は少ないでしょう。

ただし、飲み薬によっては性機能に関する副作用が報告されています。

塗り薬では頭皮のかゆみや赤み、初期脱毛が見られることがあります。

これらの症状が出た場合は医師に相談することが重要です。

自毛植毛などの外科的治療では、術後に数日間の安静が必要になることがありますが、基本的には日常生活に戻ることが可能です。

AGA治療は一生続けないといけない？

AGAは進行性の疾患であり、治療を中断すると、多くの場合、再び薄毛が進行してしまいます。

そのため、治療効果を維持し、理想的な状態を保つためには、長期的に治療を継続することが不可欠となります。

医師と相談しながら、ご自身の症状やライフスタイルに合わせた無理のない治療計画を立て、継続していくことが重要です。

治療期間中に効果を実感し、その状態を維持するためには、継続的な服用や使用が推奨されます。

AGA以外の脱毛症にはどのようなものがある？

薄毛の原因はAGAだけではありません。

AGA以外にも様々な脱毛症が存在し、それぞれ原因や治療法が異なります。

ご自身の薄毛の原因がAGAであるかを正確に診断するためにも、専門の医療機関を受診することが大切です。

AGA治療を途中でやめるとどうなる？

AGA治療を途中でやめてしまうと、治療によって改善された髪の状態は、多くの場合、再び元の薄毛の状態へと戻ってしまいます。

これは、AGAが男性ホルモンの影響によって進行する性質を持つため、薬の服用や使用を中止すると、再びDHT（ジヒドロテストステロン）の影響が強くなり、ヘアサイクルが乱れてしまうためです。

せっかく得られた発毛効果や進行抑制効果を維持するためには、医師の指示に従い、長期的に治療を継続することが非常に重要です。

AGA治療で効果がないこともある？

残念ながら、AGA治療は全ての人に100%の効果を保証するものではありません。

治療効果には個人差があり、薄毛の進行度合い、体質、治療への反応性などによって、効果が十分に得られないケースも存在します。

特に、毛根がすでに完全に死滅してしまっている部位では、飲み薬や塗り薬、注入治療の効果は期待できません。

その場合は、自毛植毛が有効な選択肢となります。

効果が実感できない場合は、自己判断せずに医師に相談し、治療計画の見直しや他の治療法の検討を行うことが大切です。

AGAが気になったらまずはクリニックに相談！

AGAが気になり始めたら、まずは専門のクリニックに相談することをおすすめします。

AGAは進行性の脱毛症であり、放置すると薄毛がさらに進んでしまう可能性があります。

早期に治療を開始することで、薄毛の進行を食い止め、今ある髪の毛を維持し、新たな髪の成長をサポートするためにとても重要です。

クリニックでは、まず医師があなたの薄毛の状態を詳しく診察し、AGAであるかを診断します。

その上で、飲み薬や塗り薬、自毛植毛など、数ある治療法の中から、あなたの症状やライフスタイルに合った治療プランを提案してくれます。

費用面や副作用についても、事前にしっかり説明を受けることができるため、安心して治療を始めることができるでしょう。

一人で悩まず、専門家のアドバイスを受けることが、薄毛改善への第一歩となります。