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「抜け毛が増えた」?正常?異常?原因と見分け方、今日からできる対策

最近、「なんだか抜け毛が増えた気がする…」
「髪の毛が細くなったかも…」と感じていませんか?鏡を見るたびに、枕に付いた髪の毛を見るたびに、お風呂の排水溝の詰まりが気になったりすると、漠然とした不安を感じるかもしれません。

抜け毛が増えるのは、多くの人が一度は経験することです。原因は一時的なものから、専門的なケアが必要なものまで様々です。この記事では、抜け毛が増える主な原因、正常な抜け毛との見分け方、そして今日からできる対策や、専門機関に相談すべき目安について詳しく解説します。ご自身の抜け毛の状態を把握し、適切な対応を考えるための参考にしてください。

抜け毛が増える主な原因

抜け毛が増える原因は一つだけではなく、様々な要因が複雑に絡み合っていることが少なくありません。ここでは、抜け毛が増える背景にある主な原因を詳しく見ていきましょう。ご自身の状況と照らし合わせて、心当たりがないか確認してみてください。

日常生活に潜む原因

私たちの普段の生活習慣の中に、知らず知らずのうちに抜け毛を増やしてしまう原因が潜んでいることがあります。忙しい現代社会においては、特に注意が必要です。

生活習慣の乱れ(睡眠不足、食生活、運動不足)

健やかな髪の成長には、体の内側からのケアが不可欠です。生活習慣の乱れは、髪の毛を作る毛母細胞の活動や、頭皮への血行に悪影響を与え、抜け毛を増加させる可能性があります。

  • 睡眠不足: 睡眠中に分泌される成長ホルモンは、髪の成長を促進する重要な役割を担っています。睡眠時間が不足すると、成長ホルモンの分泌が低下し、髪の成長サイクルが乱れたり、新しい髪が十分に育たなくなったりすることがあります。質の高い睡眠を確保することが、健康な髪を保つ上で非常に重要です。
  • 食生活の偏り: 髪の毛は、タンパク質(ケラチン)を主成分としています。また、タンパク質の合成や髪の成長には、ビタミンやミネラルといった様々な栄養素が必要です。インスタント食品や偏った食事、過度なダイエットによる栄養不足は、髪に必要な栄養が行き渡らなくなり、抜け毛を招く可能性があります。特に、タンパク質、亜鉛、鉄分、ビタミンB群、ビタミンEなどが不足すると、髪の健康が損なわれやすくなります。
  • 運動不足: 適度な運動は全身の血行を促進します。頭皮の血行が悪くなると、髪に必要な栄養や酸素が十分に運ばれず、髪の成長が妨げられることがあります。デスクワークが中心で運動する機会が少ない方は、意識的に体を動かす習慣を取り入れることが大切です。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲から始めてみましょう。
  • 喫煙や過度な飲酒: 喫煙は血管を収縮させ、血行を悪化させます。これは頭皮の血行にも影響し、髪に必要な栄養供給を妨げる可能性があります。また、過度な飲酒は、肝臓に負担をかけたり、栄養素の吸収を妨げたりすることがあり、髪の健康にも悪影響を与えることが指摘されています。

ストレス

精神的なストレスや肉体的な疲労は、自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こし、血行不良や免疫機能の低下を招くことがあります。これにより、髪の成長サイクルが乱れたり、円形脱毛症などの抜け毛の原因になったりすることがあります。長期にわたる強いストレスは、体に様々な不調をもたらし、そのサインとして抜け毛が増えることも少なくありません。ストレスを全くなくすことは難しいですが、自分なりのストレス解消法を見つけ、心身をリラックスさせる時間を作ることが大切です。

過度なヘアケア

髪を美しく保つためのヘアケアが、かえって抜け毛の原因になることもあります。

  • 間違った洗髪方法: 一日に何度も洗髪する、洗浄力の強すぎるシャンプーを使う、熱すぎるお湯で洗う、爪を立ててゴシゴシ洗うなどは、頭皮に必要な皮脂を取りすぎて乾燥させたり、頭皮を傷つけたりする可能性があります。頭皮環境が悪化すると、髪の成長が妨げられ、抜け毛が増えることがあります。
  • ドライヤーの使い方: 熱すぎる風を長時間頭皮に当て続けると、頭皮や髪が乾燥しダメージを受けます。ドライヤーを使う際は、髪から15cm以上離し、同じ場所に長時間当てないように注意し、温風と冷風を使い分けるなどの工夫が必要です。
  • カラーリングやパーマ: 頻繁なカラーリングやパーマは、薬剤が頭皮に刺激を与えたり、髪そのものを傷めたりします。これにより、髪が切れやすくなったり、毛根にダメージを与えたりして、抜け毛が増えることがあります。施術の頻度を控えたり、頭皮への刺激が少ない薬剤を選んだり、施術後のヘアケアを丁寧に行うことが重要です。

季節による変化

抜け毛は季節によって変化することがあります。特に秋頃に抜け毛が増えたと感じる方は多いかもしれません。これは、夏の強い紫外線や汗による頭皮へのダメージ、夏バテによる栄養不足などが影響していると考えられています。また、動物の換毛期のように、人間の毛周期にも季節による変動があるという説もあります。季節性の抜け毛であれば、一時的なものであることが多く、数週間から数ヶ月で落ち着くことが一般的です。しかし、例年よりも明らかに抜け毛が多い、長く続くといった場合は、他の原因も考えられます。

妊娠・出産や更年期によるホルモンバランスの変化(女性)

女性の場合、妊娠・出産や更年期といったライフイベントに伴うホルモンバランスの大きな変動が、抜け毛の原因となることがあります。

  • 産後脱毛: 妊娠中は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が増加するため、本来抜けるはずの髪が抜けずに保持される傾向があります。出産後、ホルモンバランスが急激に妊娠前の状態に戻ると、保持されていた髪が一気に抜け落ちることがあります。これが産後脱毛(分娩後脱毛症)です。一時的なものであり、通常は数ヶ月から1年程度で自然に回復します。
  • 更年期: 更年期に入ると、女性ホルモンの分泌が減少し、相対的に男性ホルモンの影響が強まることがあります。これにより、髪全体のボリュームが減ったり、分け目が目立つようになったりするびまん性脱毛症や、女性型脱毛症(FAGA)と呼ばれる状態になることがあります。

男性ホルモンの影響(男性)

男性の抜け毛の最も一般的な原因の一つが、男性型脱毛症(AGA)です。これは、遺伝的な要因に加え、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)が毛根に作用し、髪の成長サイクルを乱すことで起こります。AGAによる抜け毛は、生え際が後退したり、頭頂部が薄くなったりといった特定のパターンで進行するのが特徴です。思春期以降に発症し、進行性であるため、放置すると徐々に薄毛が広がります。

牽引性脱毛症(女性に多い)

ポニーテールやお団子ヘアなど、髪を強く引っ張る髪型を長期間続けていると、毛根に常に負担がかかり、その部分の髪が抜けやすくなることがあります。これが牽引性脱毛症です。特定の部位(生え際やこめかみなど)の抜け毛が特徴です。髪型を変えることで改善が期待できます。

疾患による抜け毛

全身の病気や皮膚の病気が原因で抜け毛が増えることもあります。

  • 円形脱毛症: ストレスや自己免疫疾患などが関与していると考えられており、コイン状の円形や、頭部全体、全身の毛が抜けることもあります。
  • 脂漏性皮膚炎: 頭皮の炎症やかゆみ、フケを伴い、症状が進行すると抜け毛が増えることがあります。マラセチア菌という常在菌の増殖などが関与しています。
  • 粃糠性脱毛症: 過剰なフケが毛穴を塞ぎ、髪の成長を妨げることで起こる抜け毛です。
  • その他: 甲状腺機能の異常(亢進症・低下症)、鉄欠乏性貧血、膠原病、梅毒などの感染症、特定の薬剤の副作用(抗がん剤、抗うつ薬、降圧薬など)などが原因で抜け毛が増えることもあります。

これらの疾患による抜け毛の場合は、原因となっている病気を治療することが、抜け毛の改善につながります。自己判断せず、専門医の診断を受けることが非常に重要です。

正常な抜け毛と異常な抜け毛の見分け方

抜け毛が増えたと感じても、それが一時的なものなのか、それとも何らかの異常のサインなのかを判断することは難しい場合があります。ここでは、正常な抜け毛と異常な抜け毛を見分けるためのいくつかのポイントをご紹介します。

1日に抜ける本数の目安

健康な髪の毛でも、成長サイクル(毛周期)に伴って自然に抜け落ちます。髪の毛は、「成長期」「退行期」「休止期」というサイクルを繰り返しており、休止期に入った髪は自然に抜け落ち、また新しい髪が生えてきます。

一般的に、1日に抜ける健康な髪の毛の本数は50本~100本程度と言われています。もちろん個人差や日によって変動はありますが、この範囲内であれば生理的な抜け毛と考えられます。

しかし、明らかに1日に100本をはるかに超える抜け毛が続く場合や、朝起きた時の枕や髪をとかした時に手に絡む髪の量が急激に増えたと感じる場合は、異常な抜け毛の可能性があります。

抜けた毛根の状態

抜けた髪の毛を観察することで、ある程度の状態を判断することができます。抜けた毛の根元(毛根)をチェックしてみましょう。

特徴 正常な抜け毛の可能性が高い 異常な抜け毛の可能性
毛根の形・色 マッチ棒の先端のような丸みを帯びた形で、白っぽい・透明感がある 毛根が付いていない(途中で切れている)。
毛根が黒っぽい、歪んでいる、小さい
毛の太さ・長さ 比較的太く、しっかりした髪。長さも様々なものがある。 全体的に細く、短い毛が多い。
毛根の周りの付着物 毛根の周りに白い膜状の付着物(毛根鞘)が付いていることがある。これは正常な組織の一部。 フケやベタつきが多く付着している。

正常な毛根は、成長サイクルを終えて自然に抜け落ちた髪の毛であることが多いです。一方、毛根が付いていなかったり、毛根の形や色が異常だったり、細く短い毛が大量に抜ける場合は、髪の成長サイクルが乱れているか、毛根自体にダメージを受けている可能性が考えられます。

抜け毛が増えた期間と範囲

抜け毛が増えたのが、ごく一時的なものなのか、それとも長期間続いているのかも重要な判断材料です。

  • 一時的な抜け毛: 引っ越しや転職などの大きなライフイベント、急な体調不良、季節の変わり目など、特定の原因があって一時的に抜け毛が増え、原因が落ち着くと共に抜け毛の量も元に戻る場合は、一時的な反応である可能性があります。
  • 長期間続く抜け毛: 明確な原因が見当たらないのに、数ヶ月以上抜け毛が多い状態が続いている場合は、慢性的な問題が隠れている可能性があります。
  • 抜け毛の範囲: 頭部全体から均等に抜けているのか(びまん性)、特定の場所だけがごっそり抜けているのか(円形脱毛症など)、生え際や頭頂部など特定のパターンで薄くなっているのか(AGA、FAGAなど)によって、考えられる原因が異なります。

こんな抜け毛は危険なサイン

以下のいずれかに当てはまる場合は、自己判断せずにできるだけ早く専門医に相談することをお勧めします。これは、単なる一時的な抜け毛ではなく、何らかの病気や深刻な原因が隠れている可能性があるためです。

  • 1日に抜ける量が明らかに100本を大きく超え、数週間以上続いている。
  • 抜けた毛のほとんどが細く、短い。
  • 毛根の形が歪んでいる、黒っぽい、毛根が付いていない毛が多い。
  • 特定の場所(コイン状、手のひら大など)の髪がごっそり抜けている(円形脱毛症の疑い)。
  • 生え際や頭頂部など、特定のパターンで薄毛が進行している(AGA、FAGAの疑い)。
  • 抜け毛とともに、頭皮の強いかゆみ、赤み、痛み、腫れ、湿疹、大量のフケ、ベタつきなどがある。
  • 全身の倦怠感、急激な体重の変化、発熱など、抜け毛以外の体調不良を伴う。
  • 内服中の薬がある。
  • 家族に若くして薄毛になった人がいる。

これらのサインが見られる場合は、専門的な診断と治療が必要となる可能性があります。早期に相談することで、原因を特定し、適切な治療を開始することが、薄毛の進行を抑え、回復を早めるために重要です。
す。

抜け毛が増えたと感じたら今日からできる対策

抜け毛が増えたと感じた時に、まずはご自身の日常生活を見直し、セルフケアで改善できる部分がないか確認してみましょう。ここでは、今日からでも始められる抜け毛対策をご紹介します。ただし、異常な抜け毛のサインが見られる場合は、これらの対策と並行して専門医に相談することも検討してください。

生活習慣を見直す

健やかな髪は、健康な体から生まれます。生活習慣を整えることは、抜け毛予防・改善の基本となります。

バランスの取れた食事

髪の毛の主成分であるタンパク質や、その合成を助けるビタミン・ミネラルは、食事から十分に摂取する必要があります。特定の栄養素に偏らず、バランスの取れた食事を心がけましょう。

髪の健康に特に重要な栄養素とその役割、多く含む食品例を以下に示します。

栄養素 役割 多く含む食品例
タンパク質 髪の主成分(ケラチン)の材料となる。 肉類(特に鶏むね肉)、魚介類、卵、大豆製品(豆腐、納豆)、牛乳、チーズなど
亜鉛 ケラチンの合成を助けるミネラル。細胞分裂を促し、髪の成長をサポート。 牡蠣、牛肉、豚レバー、チーズ、大豆、アーモンド、カシューナッツなど
鉄分 髪の成長に必要な酸素や栄養を運ぶ赤血球の材料となる。鉄分不足は髪に栄養が届きにくくなる可能性がある。 レバー、赤身の肉、ほうれん草、小松菜、ひじき、あさり、プルーンなど
ビタミンB群 タンパク質やアミノ酸の代謝を助け、髪の成長をサポート。特にビタミンB6、B12、葉酸、ビオチンが重要。 豚肉、レバー、魚、卵、乳製品、大豆製品、ほうれん草、バナナ、ナッツ類など
ビタミンE 血行を促進し、頭皮に栄養が行き渡りやすくする。抗酸化作用も持つ。 アーモンド、ヘーゼルナッツ、ひまわりの種、植物油(アーモンドオイル、ひまわり油)、アボカド、かぼちゃ、ほうれん草など
ビタミンC コラーゲンの生成を助け、頭皮の健康を保つ。鉄分の吸収を促進する働きもある。 パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、いちご、みかん、レモンなど

特定の食品に偏るのではなく、「まごわやさしい」(豆、ごま、わかめなどの海藻類、野菜、魚、しいたけなどのきのこ類、いも類)を意識するなど、多様な食材をバランスよく摂ることが理想的です。

十分な睡眠

髪の成長を促す成長ホルモンは、主に眠り始めてから数時間の深い睡眠中に多く分泌されます。毎日7〜8時間を目安に、質の良い睡眠をとるように心がけましょう。就寝前にカフェインを摂りすぎない、寝る前にスマホやPCの画面を見ない、寝室の環境を整える(温度、湿度、光)など、睡眠の質を高める工夫をすることも有効です。

適度な運動

適度な運動は全身の血行を促進し、頭皮にも新鮮な血液が供給されやすくなります。これにより、髪に必要な栄養や酸素が十分に運ばれ、髪の成長をサポートします。ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動は、血行促進に効果的です。また、軽い筋力トレーニングも代謝を高めるのに役立ちます。毎日続けられる範囲で、1日30分程度の運動を習慣にしてみましょう。運動はストレス解消にもつながり、精神的な側面からも抜け毛対策になります。

ストレスマネジメント

ストレスは抜け毛の大きな要因となり得ます。自分に合った方法でストレスを適切に管理することが重要です。

  • リラクゼーション: 深呼吸、瞑想、ヨガ、ストレッチなどは、心身をリラックスさせる効果があります。
  • 趣味や楽しみ: 自分の好きなことに没頭する時間を作ることで、気分転換を図りましょう。
  • 適度な休息: 疲労が蓄積しないよう、休憩時間をしっかり取ることも大切です。
  • 質の高い睡眠: 前述の通り、睡眠は心身の回復に不可欠です。
  • 誰かに話を聞いてもらう: 悩みや不安を一人で抱え込まず、家族や友人、専門家などに相談することも有効です。

完璧なストレスフリーを目指すのではなく、「ストレスを溜め込まない」「ストレスを適切に発散する」ことを意識しましょう。

正しいヘアケアを行う

頭皮環境を健やかに保つことは、健康な髪を育てるために非常に重要です。日々のヘアケアを見直してみましょう。

頭皮に優しいシャンプーを選ぶ

洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮の必要な皮脂まで取り去り、乾燥やかゆみを招くことがあります。アミノ酸系の洗浄成分を使ったシャンプーなど、頭皮に優しいタイプを選ぶことをお勧めします。また、自分の頭皮の状態(乾燥肌、脂性肌など)に合ったシャンプーを選ぶことも大切です。香料や着色料、防腐剤などが気になる場合は、成分表示を確認して選ぶようにしましょう。

正しい洗髪方法

正しい洗髪は、頭皮を清潔に保ち、健やかな髪の成長をサポートします。

  1. ブラッシング: 洗髪前に軽くブラッシングすることで、髪のもつれをほどき、ホコリや汚れを浮き上がらせます。
  2. 予洗い: 38度程度のぬるま湯で、頭皮と髪全体を十分に洗い流します。これにより、汚れの大部分を落とすことができます。
  3. シャンプーを泡立てる: シャンプーを手に取り、少量のぬるま湯を加えてしっかりと泡立てます。泡で洗うことで、頭皮への摩擦を減らすことができます。
  4. 優しく洗う: 泡を頭皮に乗せ、指の腹を使って優しくマッサージするように洗います。爪を立てたり、ゴシゴシこすったりしないように注意しましょう。特に、生え際や襟足など、洗い残ししやすい部分も丁寧に洗いましょう。
  5. しっかりとすすぐ: シャンプー成分が頭皮に残らないよう、時間をかけてしっかりと洗い流します。すすぎ残しは頭皮トラブルの原因となります。
  6. コンディショナー・トリートメント: 髪の毛の中間から毛先を中心に馴染ませます。頭皮にはつけないようにしましょう。
  7. 十分にすすぐ: コンディショナーやトリートメントも、洗い残しがないように丁寧にすすぎます。
  8. 優しくタオルドライ: 吸水性の良いタオルで、髪を包み込むように優しく水分を拭き取ります。ゴシゴシこすらないようにしましょう。
  9. ドライヤーで乾かす: 髪が濡れた状態は傷みやすく、雑菌も繁殖しやすいため、早めに乾かします。熱すぎる風は避け、髪から15cm以上離し、根元を中心に全体を乾かします。最後に冷風を当てると、キューティクルが引き締まります。

洗髪の頻度は、一般的に1日1回で十分とされています。洗いすぎは頭皮の乾燥を招くため、自分の頭皮の状態に合わせて調整しましょう。

頭皮マッサージ

頭皮マッサージは、頭皮の血行を促進し、髪に必要な栄養素や酸素が行き渡りやすくする効果が期待できます。リラックス効果もあり、ストレス軽減にもつながります。

洗髪時や、入浴後、就寝前などに行うのが効果的です。指の腹を使って、頭皮全体を優しく揉みほぐすように行います。円を描くように、または頭頂部に向かって引き上げるようにマッサージしましょう。強い力で行うと頭皮を傷つける可能性があるため、心地よいと感じる強さで行うことが大切です。市販のマッサージオイルやローションを使用するのも良いでしょう。

栄養摂取を意識する

バランスの取れた食事が基本ですが、忙しい日々の中で必要な栄養素を十分に摂取するのが難しい場合もあるかもしれません。そのような場合は、栄養補助食品(サプリメント)で補うことも選択肢の一つとなります。ただし、サプリメントはあくまで食事で不足しがちな栄養素を補うものであり、食事の代わりにはなりません。また、過剰摂取は健康を損なう可能性もあるため、摂取量には注意が必要です。どのようなサプリメントが自分に合っているか分からない場合は、医師や薬剤師、管理栄養士などに相談してみましょう。

専門機関に相談する目安

「こんな抜け毛は危険なサイン」の項目で述べたような兆候が見られる場合や、セルフケアを数ヶ月続けても抜け毛が改善しない、むしろ悪化していると感じる場合は、専門機関に相談することを強くお勧めします。

医療機関(皮膚科、専門クリニック)

抜け毛や薄毛に関する相談は、主に以下の医療機関で行うことができます。

  • 皮膚科: 抜け毛の原因が、脂漏性皮膚炎や円形脱毛症などの皮膚疾患である場合に適しています。保険適用される疾患の治療が中心となります。皮膚科専門医は、頭皮の状態を詳しく診察し、適切な診断と治療を行います。
  • AGAクリニック・専門クリニック: 男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症(FAGA)など、主に遺伝やホルモンバランスの乱れによる進行性の薄毛治療を専門に行っています。最新の知見や治療法(内服薬、外用薬、メソセラピー、自毛植毛など)を提供しており、より専門的なアプローチを受けたい場合に適しています。ただし、自由診療となるため、治療費は高額になる傾向があります。
  • 内科: 全身疾患(甲状腺機能異常、貧血など)が抜け毛の原因となっている可能性がある場合に相談します。

どこに相談すべきか迷う場合は、まずは近くの皮膚科を受診してみるのが良いでしょう。そこで専門的な診断を受け、必要に応じて他の医療機関を紹介してもらうことも可能です。

最近では、オンライン診療で抜け毛や薄毛の相談ができるクリニックも増えています。通院の手間を省きたい、手軽に相談したいという方には便利な選択肢です。

相談する際のポイント

医療機関を受診する際は、医師に正確な情報を伝えることが、適切な診断と治療につながります。以下の点を整理しておくと良いでしょう。

  • いつ頃から抜け毛が増えたか: 抜け毛が増え始めた時期を具体的に伝えましょう。
  • どのような抜け毛か: 抜ける量(おおよそ)、毛根の状態、毛の太さなどをできる範囲で観察して伝えましょう。
  • 抜け毛が増えた範囲: 頭部全体か、特定の場所かなど、抜け毛が目立つ範囲を具体的に伝えましょう。
  • 頭皮の状態: かゆみ、赤み、痛み、フケ、ベタつきなどの症状があるか伝えましょう。
  • これまでの病歴や現在治療中の病気: 全身の病気や頭皮の病気、アレルギーなどがあれば全て伝えましょう。
  • 現在服用している薬: 市販薬やサプリメントも含め、現在服用している全ての薬を伝えましょう。
  • 生活習慣: 食事、睡眠、運動、喫煙、飲酒、ストレスの状況などを伝えましょう。
  • ヘアケアの習慣: 洗髪の頻度や方法、使用しているシャンプー、カラーリングやパーマの頻度などを伝えましょう。
  • 家族の薄毛の状況: 家族(両親、祖父母など)に薄毛の人がいるか伝えましょう。
  • 妊娠・出産、更年期(女性の場合): これらの経験があれば伝えましょう。

これらの情報を事前にまとめておくと、診察がスムーズに進みます。恥ずかしがらずに、気になることは全て医師に相談することが大切です。

まとめ:抜け毛が増えたら原因を知り適切な対策を

抜け毛が増えたと感じることは、多くの人が経験する体の変化の一つです。生理的な自然な抜け毛である場合もあれば、生活習慣の乱れ、ストレス、ホルモンバランスの変化、間違ったヘアケア、そして病気など、様々な原因が隠れている場合もあります。

まずは、ご自身の抜け毛の状態(量、毛根、範囲、期間)を観察し、正常な抜け毛との違いや危険なサインがないかを確認してみましょう。その上で、食生活や睡眠、運動、ストレス管理、ヘアケアといった日々の生活習慣を見直すことから始めてみてください。これらのセルフケアによって改善が期待できる場合も多くあります。

しかし、「こんな抜け毛は危険なサイン」に挙げたような特定の症状が見られる場合や、セルフケアを続けても改善が見られない、むしろ悪化しているといった場合は、迷わず専門機関(皮膚科や薄毛専門クリニックなど)に相談することをお勧めします。原因を正確に診断してもらい、適切な治療を受けることが、抜け毛の進行を抑え、健やかな髪を取り戻すための最も確実な方法です。

抜け毛の悩みは一人で抱え込まず、まずはできることから対策を始め、必要であれば専門家のサポートを借りながら、ご自身の髪と頭皮の健康を守っていきましょう。


【免責事項】
この記事で提供する情報は一般的な知識であり、特定の個人の症状や状況に対する医療アドバイスではありません。抜け毛や頭皮の悩みについては、必ず医師や専門家にご相談ください。記事の情報に基づいて行った行為の結果に対して、筆者および関係者は一切の責任を負いません。

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